発売から1年以上経過しているにもかかわらず、2020年2月現在もワイヤレスヘッドフォンのランキングでトップランカーとしてソニー「WH-1000XM3」はその名を連ね続けています。
この記事では、1年ほど「WH-1000XM3」を使用してみて、人気の理由を考察してみましたので、お時間が許すかぎりヘッドフォン選びの参考にお読み頂ければ幸いです。
WH-1000XM3の音質
ヘッドフォンを選ぶ時、最も重視する項目だと思いますが、3万強の出費に対して不足を感じる音質ではありません。
むしろ3万円という値段を納得させてくれる音質に加え「ノイズキャンセリング」「タッチセンサー」「アンビエントサウンド」など、その他の機能がサービスで付いてくるといった感じで、お得感すらあります。
そう感じるのは「WH-1000XM3」購入前に、ワイヤレスヘッドフォンとしての基本的な性能以外に実装される、様々な機能に制作コストを取られて、肝心の音質は凡庸になるのではないか不安があった為です。 結果的には嬉しい誤算で済みました。
Bluetooth接続と有線接続の音質
Bluetooth接続時の音質は、イコライザー設定など変更せず、サラウンドも加えないデフォルトの音で、低音から高音まで演奏中の楽器やボーカルの出す音の鳴り終わりに響く残響も聞き取れるほど解像度が高いです。
音場が広く、奥行きを感じる響きがあるので、解像度の高さも相まって小さなライブハウスで自分一人だけで演奏を聴いてる様な贅沢でリアリティのある音です。
有線接続時はこれらの音質の良さに透明感が増し、有線接続のヘッドフォンとしても十分すぎる性能です。
SONYの有線接続ヘッドフォン「MDR-1A」を愛用していましたが「WH-1000XM3」の有線接続時の音質のよさから「MDR-1A」を手放す切っ掛けになってしまいました。。
イコライザー設定で好みの音質に出来る
以前から低音が効いた音質が好みでソニーのワイヤレスヘッドフォンの重低音モデル「MDR-XB950N1」も使用していました。
「MDR-XB950N1」で重低音の効いた楽曲を流すと、ハウジングが振動しウーファーのそばで音楽を聴いている様な低音を楽しめるのですが、今では重低音を効かせて聴きたいというニーズも「WH-1000XM3」に満たしてもらっています。
「WH-1000XM3」デフォルトの状態でも十分な低音の効きですが、スマホの専用アプリやWalkmanの機能でイコライザーをいじれば「MDR-XB950N1」の代わりもある程度こなせてしまいます。
イコライザー設定を活用する事で、「低音より」から「高音より」の幅広い音の好みに対応できるポテンシャルがあり、様々な楽曲に対して自分好みの音のバランスを実現しやすい所が人気の理由なのかなと考えています。
ノイズキャンセリング性能の高さ
「WH-1000XM3」のノイズキャンセリング性能は高く、騒音の大きい電車内でも自分専用のライブハウスにしてしまう、場所を選ばない贅沢な音楽体験が出来ます。
個人的な使用例として、ヘッドフォンは自宅で音楽を聴く為に使っている事がほとんどなので、騒音が余り無い状況です。
それでもノイズキャンセリングをONにして使っているのですが、その理由は単純に「音質が良く聴こえる」からです。
ノイズキャンセリングの機能が出始めた頃、若干のホワイトノイズと聴覚検査の為に閉じ込められる電話ボックスの様な狭い防音部屋に似た圧迫感のあるものでした。
「WH-1000XM3」でノイズキャンセリングをONにすると、ホワイトノイズは全く無く、20畳くらいの広さがある録音スタジオの扉を閉めた様な自然な静寂になり、細かな音まで良く聴き分けられる環境に感じます。
音質をしっかり聞き分けられる環境になる事でノイズキャンセリングOFFよりONにした方が高音質に感じるので、騒音をシャットアウトするだけではない付加価値のある性能なのが人気の理由かと考えています。
WH-1000XM3の操作性
音楽を聴く上で、音楽プレイヤーやスマホの一般的な操作は全て右側のハウジングで出来ます。
再生/停止、曲の送り/戻し、音量の上げ/下げ、クイックアテンションによる一時的な外音の取り込み、これらの操作が当たり前の様にスマホやプレーヤーに触れずに出来るが魅力だと思います。
再生/停止 | タッチセンサーをダブルタップ |
曲送り | タッチセンサーを右へフリック |
曲戻し | タッチセンサーを左へフリック |
音量上げ | タッチセンサーを上へフリック |
音量下げ | タッチセンサーを下へフリック |
クイックアテンション | タッチセンサーを手で覆う |
ワイヤレスという性質上、操作性の良し悪しは使用する満足感に少なからず関わる部分だと思いますが、直感的で覚えようとする必要もなく触っていれば「ああ、なるほど」とすぐに納得のいく操作法がほぼ片手で実行できるのも人気の理由だと思います。
ちなみに、電源、アンビエントサウンド、ノイズキャンセリグのON/OFFは左側ハウジングにある2つの物理ボタンで切り替えます。
WH-1000XM3のバッテリー性能と低反発ウレタンのイヤーパッド
ノイズキャンセリングONでの使用でも1日5~6時間の使用で、4日ほど持つバッテリーは使い勝手を良くしてくれます。
バッテリーの持ちが良いので長時間使う事が多くても、低反発ウレタンのイヤーパッドの為、ずっと付けていても側圧がやさしく耳や頭が痛くならず、不快感が音楽を邪魔しないの所も人気に拍車をかけていると思います。
また、バッテリーが切れてもクイック充電対応で10分充電すれば、5時間再生可能なので、充電をし忘れていても、必要な状況に対してすぐに対応できる安心感も大きいです。
WH-1000XM3のフォルム
デザインやフォルムも人気の理由の1つかなと考えています。
全体的なフォルムは楕円形で、目を引くのはハウジングの円形と、マイク部とロゴの異素材だけで、マットな質感が相まって、見ようとする人にしか訴えかけない落ち着いたデザインです。
このシンプルなデザインとフォルムのお陰で、ヘアースタイルになじみやすく、スーツや普段着など様々な服装にも合わせやすいと感じます。
通話品質、マルチペアリングやマルチポイント等その他の機能で隙が無い
細かな点においても「マルチペアリング」で8台までの機器とペアリングが可能。 「マルチポイント」で音楽再生機器で音楽を聴きながら、スマホとも同時接続して着信にハンズフリーで通話に出るなど、痒い所に手が届く隙のなさも人気の理由ではないでしょうか?
肝心の通話も、通常通りスマホのマイクで通話するのと比べ、相手に届く声が若干遠くなるものの、ハンズフリーのヘッドセットとしても問題なく会話できます。
まとめ
1年間使い続けて、不満らしい不満を感じていない所に「WH-1000XM3」の完成度の高さと人気を感じます。
デザインもシンプルなので、他人に勧めやすいし、プレゼントしやすいというのもあるかもしれませんね。
ヘッドフォンは、これだと思える物に出会えたら長年使い続ける道具の1つだと思います。「WH-1000XM3」を基準に様々なヘッドフォンを比べてみるのも、自分に合ったヘッドフォンを見つける近道になるかもしれません。
それくらい、高機能、高音質の「優等生」なヘッドフォンですよ。
ここまで記事をお読み頂き、ありがとうございました。
コメントを残す コメントをキャンセル