アナグラのshinです。【前置き無しボタン】
AVIOTの完全ワイヤレスイヤホン「TE-BD21j」を毎日使っています。 150時間ほど聞いた後、当然の如くイコライザーで音質をいじって遊びたくなります。
音質の調整にはAVIOTのユーティリティアプリ「AVIOT SOUND XXX」を使うのですが、デフォルトの設定と比べて、聴こえる音質の印象を大きく変える事が出来るので楽しいです。
「この曲ならこんな設定がベストだな!」とか「この曲のバスドラムがカッコイイから際立たせて聴くならコレだな!」なんて思いながら欲望のままにいじりたおして遊んでいました。
そんなある日の事です。
イヤホン本体とユーティリティアプリ『AVIOT SOUND XXX』にアップデートが入ってイコライザー調整の趣が変わってやんの……
ver1.3になったようで、以前とは全くの別物になってしまいました。
以前は、各帯域を+方向へ上げると音質が破綻するくらいアホみたいに上がるで、任意の帯域を下げる事で強調したい帯域を際立たせる使い方が基本、みたいな使用感でしたが––
ver1.3からは、センター値 から上下方向とも変化の幅がマイルドになり、良くも悪くも調整しやすく扱いやすい印象になりました。(そのかわり極端な事は出来なくなりました)
個人的には前のピーキーな感じがすきだったのですが……(AVIOT SOUND XXX の記事を書こうとしたその日にアップデートで激変してしまったので、使い倒した記録がパッパラパーです)
そうは言っても『AVIOT SOUND XXX』のイコライザ機能で音質をいじって遊ぶ楽しさは変わらないので対応したAVIOTのワイヤレスイヤホンを使っている方はぜひ使ってみて下さい。
イコライザで音質を調整すれば、使っているイヤホンが今まで以上に好きになるかもしれません。
この記事では音楽再生機器としてAndroidスマホを使い、AVIOTの完全ワイヤレスイヤホン「TE-BD21j」を『AVIOT SOUND XXX』のイコライザ設定で音質調整していきます。 その際に気づいた事を書いていきますので参考になればと思います。
どんな風に調整すればいいか分からないという方は、自分なりの遊び方(調整方法)の足掛かりにしていってくださいね。
(※記事では『AVIOT SOUND XXX』2021年2月現在 最新の Ver1.3 を使っています)
『AVIOT SOUND XXX』 イコライザ設定画面
『AVIOT SOUND XXX』はスマホのアプリです。 Android用、iOS用 と両方ありますので、まずはお使いのスマホにインストールしてください。
アプリを起動して、イヤホンと接続したらメイン画面から『EQ設定』をタップします。
↑これがイコライザ設定画面です。 縦のラインが10列あり、それぞれ調整できる帯域ですので、全部で10バンド(帯域)調整可能となっています。
調整は「Bypass」や「Warm」といったプリセットが並んでいる右下(赤枠)の『Custom』から行います。
バンドの下、左端から低音域を示す“Low”と、真ん中の中音域を示す“Mid” そして右端の高音域を示す“High”の表記があり、低音域から高音域のバンドが左から右に向かって並んでいる事を示しています。(←低・高→)
上下調整幅は音量を表すdb(デシベル)で示されています。
“0db”を中心に“±3db”調整可能となっていますので、変化する音量は3dbにしたとき0dbから約40%増 程度の変化量になります。
隣り合ったバンドを上下に振り切ると+3から-3で、最大6db分(100%程度)の差をつけて、大きな変化量を得る事もできます。
各バンドは画面上の“ツマミ”を指で上下に動かして調整するのですが、シームレスに動かす事が出来て無段階の様に見える為、1db分の間を何段で分けているのか分からない仕様になっています。(見た目はカッコイイですが判断しづらくて使いにくい点ですね)
そこで全てのバンドを一旦、最低数値の-3まで下げ、Midから1つのバンドだけを少しづつ上げて変化を確認してみたのですが、変化を感じられたのは1/2段ずつでした。(0.5刻みで変化している気がします)
続いて各バンドの横軸を色分けすると、青枠が低音域。 黄枠が中音域。 赤枠が高音域です。
色がかぶっている箇所は Low、Mid、High それぞれの音域の境目にあたるバンドだと個人的に感じた箇所です。 この境目をどう調整するかで、音域同士の分離感に違いを感じやすいと思った部分になります。
TE-BD21jをイコライザ調整して遊ぼう
「遊ぼう!」とか言っても、音質は感覚に頼るものなのであくまで個人的な印象での説明になってしまうのが心苦しいのですが、イコライザで遊び倒し感じた事を共有しますね。
自分なりの、楽曲を聴いていて楽しい、気持ちい、と思える音質を探す切っ掛けになれば幸いです。
まず「TE-BD21j」自体が中音域の鳴りが良い(強い)という点です。(楽曲の録音時に中音域を中心にバランスをとって録音されている可能性も要因としてあるかも)
低音や高音を強調しようとしてバランスをとる際、中音域を抑えても割と粘り強く残る印象でした。
以上を踏まえて調整していきます。
目指す音質は「ロックを聴くのに気持ちがいい音質」です。
まず全てのバンドが±0のフラットな状態から、調整していきますね。
次に全てのバンドを一律に上げていって、自分が好きな音圧をさがします。
僕はスマホでいつも聴いている音量が50%~70%程度で、その音量で聴くのに丁度いいなと感じたのが“+1”でした。
続いて低音からいじっていきます。
バスドラムやベースの音の出だしがハッキリしている方が好みなので、先ほど基本とした1dbのラインより更に+0.5上げて1.5dbくらいしました。
「TE-BD21j」の低音域は響きに若干こもったような柔らかい印象を持っていたので、一番左端の重低音あたりの帯域に向かて“左肩下がり”の形になるようにして、ボワボワした感じを抑え自分好みのソリッドで歯切れの良い印象に近づけます。
低音域と中音域の境目だと思っている左から4番目のバンドは、下げると中・低音域同士の分離が分かりやすくなる様で、バスドラムのキック感が強く感じられるようになるで、-0.5dbくらいの位置まで下げました。
次に中音域の設定に移ります。
洋楽をメインに楽しみたいと思うのですが、、英語分からなくてフィーリングだけ感じられればいいと思ったのと、低音を効かせた印象で楽しみたかったので、中音域の真ん中を1dbの頂点として左右を0.5~1.0下げて山形になるように調整し、印象を抑えてみました。
最後に高音域の設定です。
中音域と高音域の境目だと思っている箇所(左端から8番目のバンド)は上げるとハイハットなどの音が聞き取りやすくなる印象ですが、シャカシャカした感じがあまり好きではないので、±0dbまで下げています。
シャカシャカが好みじゃないからといって、その他の高音域バンドも下げてしまうと、楽曲全体のクリアな印象が薄れる様に感じたので、一番右端のバンドを0.5dbへ下げるだけに留めました。
これで一通り設定が完了です。
この設定内容だと、全体的に音の輪郭がハッキリしたような印象と、それを歯切れの良い低音のリズムがリードする、といった具合の個人的に好きな音質になったと思います。
『AVIOT SOUND XXX』ではカスタム内容を1つしか保存できない為、自分にとってなるべく汎用性の高い音質を目指しました。
複数の設定を使いたい場合は、メモに残さないといけないのがちょっと面倒ですね。
余談ですが、この設定を作るにあたってメインに使った楽曲は、個人的にこの曲が流れていると1mmも作業が進まない、そんな集中力を無限にスポイルされる「きみのためなら死ねる」という曲を使いました。
この曲を聴いていると全然集中できないのですが、この曲を集中して聴く事が作業なら全く問題無いし、そんな時じゃないとプレイリストに入っているのに聴く事がほぼ無いので、ここぞとばかりに聴きまくりました。(低音から高音まで分かりやすい形で音が鳴っているという事もありまして……)
Spotifyなどの音楽配信サービスを使っている方はぜひ聴いてみて下さい。 なんか楽しい気持ちになれる曲です。
この曲を流せば天照大御神も天岩戸から「何?( ゚∀ ゚) なにしてんの?」って言いながら一瞬で飛び出してくると思います。
他にもイコライザ設定を作ってみました
他にも、低音重視や高音重視のイコライザ設定も作ってみましたので画像にて設定画面を掲載しておきますので、参考になればと思います。
『AVIOT SOUND XXX』低音重視設定
まずは低音を重視した楽曲を楽しむ為に作った設定です。
誰しもキリンやシマウマのマスクをかぶって重低音の響きと共に泣きながらヘッドバンキングして嫌な事を忘れたい事ってあると思います。 そんな設定です。
あとこの設定でアコースティックギターの弾き語りやソロギターの楽曲を聴くと、ライブなどのスピーカー通して聴こえてくる音みたいな雰囲気になります。
『AVIOT SOUND XXX』高音重視設定
次は、ピアノソロの様な高音の響きを綺麗に聴きたい時の設定です。 出来上がってみたらプリセットに入っている「Brighe」と似てましたが、モンハンの亜種とかRPGのモンスターの同じグラフィックで色違いのヤツとか、そんな程度だと思って下さい。
『AVIOT SOUND XXX』就寝前用
最後は就寝前になにかしながら聴く時の設定です。
寝る前は音量を最低にして聴く事が多いのですが「TE-BD21j」は最低音量にしても(自分にとっては)結構音量が大きいと感じていました。
寝る前は音に関して、自然と耳を澄ませている感覚にちかい状態になっているので、ものすっごい小音でもいいので、画像のような設定にしました。(それでも音が大きいと感じるくらいです)
最小音量に不満がある方はぜひ試してみて下さい。 気持ち程度ですが、音が小さくなりますよ。
Androidのバージョンによる違い? メーカーとの相性の違い?
余談ですが……
今回『AVIOT SOUND XXX』を使うにあたって、Android9 の端末と Android10 の端末をつかっていたのですが、アプリの共同がそれぞれ違うので、ここで共有します。(端末はXperia XZ1 と Xperia1です)
Android9 の端末ではアプリのメイン画面で音量を変更すると、端末側と連動せずに音量が変化します。
例えばアプリで50%に音量を設定すると、端末側の音量設定の100%(音量MAX)が、アプリ側で設定された音量50%に制限された状態になります。
これを利用すれば極小の音で音楽を聴く事も可能です。
逆を言えばアプリ側で音量100%に設定しないと本来の音圧が出ていない気がします。 基本的にはアプリ側で100%に設定しておいて、端末側で音量を調整する使い方が良いと思います。
一方 Android10では、アプリ側と端末側の音量調整が連動しているので、アプリ側で音量を変更すると端末側の音量UIが表示され変化するのがわかります。
どっちが正常な挙動なのかは不明ですが、個人的にはAndroid9の挙動が好みです。
(端末はXperia XZ1 とXperia1 をつかっているので、メーカーとの相性による違いの可能性もありますが……)
おわりに
友人は全体的に明瞭感が抑えられて、低音もボワボワした柔らかい響きが「好きな音質」だそうです。
音質の好みに対して、僕とは真逆です。
人間は耳の大きさ、もっといえば鼓膜の形状も含めて千差万別です。 最近では骨から伝わる振動も音の1要素として認識しているらしいとの事で、今まで一般的に言われていた人間が識別できる可聴域を越えて音質を認識しているという研究結果もあります。
音質に関する個人差には、いよいよ骨格まで関わってきそうですね。
その上で音質に関して記事を書くのは、もう怖くて怖くてタイピングする手が冷たくなってしょうがないです。
でも音楽って楽しいから色々試したくなったり、追究しちゃいますよね。
何百回と聴いてきた楽曲も、音質が少し変わるだけで印象がガラリと変わって聴く楽しさが広がる事も多々ありました。
音質には、なかなか明確にし難いからこそ追究する楽しさがあると思います。
科学的には数値化できる様ですが、人間の感覚が一定ではないので、追究すればするほど物凄いパーソナルで孤独な趣味になっていくな、なんて思って急に寂しくなりました。
みなさんもぜひ、自分だけの『TE-BD21j』を作り上げてみてください。
そして出来上がったものを友人に聴かせて「うわ! ひでぇ音質だな!」なんて言われたら、もうそいつとは絶交ですよ。
音質の好みが合わないって事は、バンドなんて組んでなくても「音楽性の違い」が事前にわかる、と言えるのではないでしょうか?
という事は、ロックバンドなんて組んでいなくてもアーティストみたいなカッコイイ離縁の言い訳がもっと身近になるって事ですよね。
「音楽性の違いで……」
いつ言えるんだろう。 まずはアイツの耳に有無も言わさずイヤホンをねじり込む事から考えなくてはいけません。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
te-bd21jのイコライザー設定の参考にさせてもらいました。
バランスの良い、適度に迫力のある音になって良い感じです。
この機種ではパーフェクトやイヤガズムと呼ばれる王道の設定では高音がシャリついてかなり聴き疲れする音になってしまい実践的ではありませんでした。
より良い設定を知ることができてよかったです。
ヒルトンさん、おはようございます。
コメントありがとうございます。
最近のワイヤレスイヤホンとかヘッドフォンってアプリで気軽にイコライザ調整できるので、曲ごとに変えたりとかできて楽しいし便利ですよね。
耳に合う設定探しのお手伝いができて本望でした。