SONYの『WF-1000XM3』が今後コスパ最高のワイヤレスイヤホンになるかもしれない

SONYのワイヤレスイヤホン『WF-1000XM4』の発売日が2021年6月25日に決定しましたね。

数カ月前に「WF-1000XM3」の後継機である『WF-1000XM4』の発売が近いのではないかと噂が流れ始めた頃に、ふと気になってメルカリでの「WF-1000XM3」の相場が気になり調べた所––

安いのなんのって…… 概ね11000円~16000円くらいで出品されていて、状態の良い物であれば13000円前後の価格が売れやすいようです。

また売れ残っている物が多く、出品されれば飛ぶように売れる、といった以前の状況ではなくなってきている事も安くなっている要因のような気がします。

この値段で買えるとなると、価格の面で購入を見送った人にとっては同じ値段帯の新品を買うか、中古であっても状態の良い「WF-1000XM3」を探して買うか、という選択肢もアリではないかなと思います。(メルカリは魔境なので購入はリスクありますが……)

ただ『WF-1000XM3』は2019年発売の製品なので最近発売された13000円前後の製品とでは音質や性能面において劣るのではと思ったので、手持ちの「AVIOT TE-BD21j」と改めて聴きくらべてみたのですが「WF-1000XM3」のほうが音質や機能面において上回っていました。

『WF-1000XM3』発売当初の新品価格は29000円ほどなので、くらべるのも酷な話なのですが、メルカリなどでの中古市場を見据えれば、13000円前後と「TE-BD21j」を購入する価格と近い出費で手に入る訳です。

この記事では「WF-1000XM3」を仮に同価格帯の商品として「TE-BD21j」と比較した場合、どれくらい違いがあるのか、ざっくりとですが見てみました。

(比較はスマホのストリーミング再生した音源で行っていいます)

音質から考える「WF-1000XM3」のコスパフォーマンス

「TE-BD21j」は音質に特化しその他の機能を必要最低限にする事で13000円前後で買えるワイヤレスイヤホンとして高品質の音質を実現したモデルです。

しかし今現在中古である事に目をつぶれば、同価格帯で手に入る『WF-1000XM3』と「TE-BD21j」を聴き比べた場合、明確に『WF-1000XM3』勝っていると感じました。

両機種を定価で比べた場合、倍近い値段差があるので当然の結果といえばそれまでですが、技術が日々進歩する中にあって「TE-BD21j」より2年半ほど先に発売された『WF-1000XM3』が遅れをとっていないどころかいまだ先をいっているのは、さすがSONYだなと感心しました。

ざっくりと違いを例えると、一番低い低音域を1として、一番高い高音域を100としたとします。

「TE-BD21j」は“30~70”の範囲で良い音を鳴らしてくれるのに対して『WF-1000XM3』は“1~100”まで余裕をもって良い音が鳴っている感じです。

また、音の解像感や分離感も『WF-1000XM3』のほうがワンランク上です。(DSEE HXを使えば更に音質が向上します)

音質面から考えても、13000円前後で手に入るとしたらコスパが高いと思います。

機能面から考える『WF-1000XM3』のコストパフォーマンス

機能面に関しても「TE-BD21j」と比較するのは酷な気がしますが、同じ13000円前後の予算内で買える物として比較してみたいと思います。

アクティブノイズキャンセル

アクティブノイズキャンセル機能は『WF-1000XM3』にあって「TE-BD21j」には無い機能です。

『WF-1000XM3』のアクティブノイズキャンセル機能は2021年現在においても高いレベルで周囲の音を打ち消してくれる効果があります。(ただし外で風が吹いている状況での使用だと「ゴー」という風切り音が酷いです)

13000円前後の予算でノイズキャンセル機能付きのワイヤレスイヤホンで、音質も上位クラスとなると結構お得ではないでしょうか。

アンビエントマイク

アンビエントマイク機能はイヤホンに付いているマイクで周囲の音を取り込み、イヤホンを外さなくても周囲の声や物音を聞く事ができる機能です。

こちらは両機種とも搭載されています。

効果のほどは両機種ともに、耳で直接聞くよりも音量がダウンした印象になるのですが、個人的には音質良く聞こえる『WF-1000XM3』の方が聞きやすいと感じます。

「TE-BD21j」は高音域だけを強調したようなシャカシャカした音質で聞こえるのですが、人によってはそのほうが聞きやすいという場合もあるかなと感じます。

両機種に共通しているのは、積極的に使いたいと思えるほどハッキリ聞こえるレベルじゃない、という点です。

ひとこと会話するだけの時にイヤホンを外さずに済ませるといった使い方がメインで、しっかり会話が必要ならイヤホンを外して会話した方が良い、というのはどちらも同じです。

接続の安定性

接続の安定性については「TE-BD21j」の方が安定しているなと感じました。

このご時世、人の密集する場所には行けなかったのですが、買い物に行く際に車の往来が多い大通り沿いを歩きながら音楽を聴いていると『WF-1000XM3』は、一瞬ですが音が途切れる事があります。(1回あるかないかで頻繁に途切れる訳ではないですが…)

一方「TE-BD21j」は同じ状況下で音が途切れた事がありませんでした。(以前のレビュー時に電車内で使用した事がありましたが途切れる事はありませんでした)

接続の安定性は「TE-BD21j」の方が優れていると感じますが、自宅で使う分にはどちらも大きな差は感じません。

バッテリーの持続性

『WF-1000XM3』はイヤホン単体で6時間(ノイズキャンセルONの場合)ケース充電込みで合計24時間の再生が可能です。

「TE-BD21j」はイヤホン単体で9時間、ケース充電込みで合計45時間の再生が可能です。

バッテリーの持続時間は「TE-BD21j」が優れています。

1回の使用時間が長い人にとっては『WF-1000XM3』のイヤホン単体で6時間は少し不安かもしれませんね。

逆に1回の使用時間が短い人にとっては『WF-1000XM3』の方が音質が良いので、バッテリーの持続時間がデメリットになる事は少なく、コスパの良さにつながると思います。

ただ『WF-1000XM3』のバッテリー持ちで注意しなければならないのが“イコライザー機能”“DSEE HX”を併用するとバッテリーの消費が激しくなり、2時間半程度の再生時間になってしまう事です。(そのかわりドライバーのポテンシャルを引き出した様な更なる高品質な音質になります)

バッテリーの持ちを考慮する要因として“テレワーク対応”を考え、ある程度長い時間使い続けられる必要性を感じている方がいるかもしれませんが、両機種ともにマイクの性能がイマイチなので、テレワークでの仕事で使う事はおすすめできません。

あくまで音楽を聴いたり、映画などの動画視聴での使用をメインに考えた方がいいと思います。

その上でコスパの良さを考えると、音質の良さでみれば『WF-1000XM3』で、長時間使用する想定なら「TE-BD21j」だと思います。

操作性

両機種ともに、タッチセンサーによる操作になるのですが、こちらも「TE-BD21j」の方が勝っていると思います。

『WF-1000XM3』のイヤホンは形状が横長の楕円形になっていて、その片側に丸いタッチセンサー部が寄っている配置になっています。

タッチセンサー部は自分からは見えない為、感覚を頼りにタッチするのですが、指がセンサーから外れていて操作ミスになる事があり、慣れるまでは少し手こずるかもしれません。(慣れてしまえばどうって事ないですが…)

「TE-BD21j」は慣れなど必要なく最初から快適に操作できました。 その理由は、装着した際にタッチセンサー部分が耳から出ている部分の面積の多くを占めているからかなと思います。

それとタッチセンサーでの操作で「TE-BD21j」は音量の上げ/下げができますが『WF-1000XM3』はそれができません。

ボリュームの上げ/下げは割と調整したくなるので、それができる「TE-BD21j」は優れていると思います。

防水性能

『WF-1000XM3』は防水性能がありません。 一方「TE-BD21j」にはIPX4相当の防水性能があります。

野外での突然の雨や、スポーツなどでの汗濡れが気になる方は『WF-1000XM3』は候補から外した方がよさそうです。

電車やバス、室内など水濡れと全く無縁の環境で使う事を想定しているならコスパの良し悪しを気にする必要のない機能です。

アプリによる拡張性

両機種にはイヤホンの機能をカスタマイズしたり拡張できるようなユーティリティアプリが用意されています。

『WF-1000XM3』には“Headphones connect”というアプリが用意されており「TE-BD21j」には“Sound XXX”が用意されています。

このアプリによる拡張性に目を向けると『WF-1000XM3』に用意された“Headphones connect”との連携が圧倒的に勝っています。

音質をカスタマイズするイコライザー機能とタッチ操作のカスタマイズ、そしてファームウェアのアップデート機能は両アプリとも備えていますが、調整の細やかさ、操作性、拡張性で“Headphones connect”は高品質で抜きん出ています。

“Headphones connect”にはSONY独自の高音質処理「DSEE HX」や行動を検知してノイズキャンセリングの効きや外音取り込み機能のON/OFFを自動で調整してくれる『アダプティブサウンドコントロール』などの拡張性があります。

最近では『360 Reality Audio』による立体音響を体感する事ができるようになりました。(※対応したストリーミングサービスに加入する必要があります)

「TE-BD21j」の“Sound XXX”は基本的な機能のみ備えられており、必要十分だと思いますが『WF-1000XM3』と“Headphones connect”の機能と拡張性に、ライフスタイルとマッチすると感じる所があるなら検討の候補に挙げてもいいかもしれません。

おわりに

WF-1000XM3は発売してすぐに定価(28000円くらい)で購入した事を覚えています。

WF-1000XM4』の発売日が決定してから日々「WF-1000XM3」の新品も中古も価格が下がってきています。

ガジェット系では“あるある”だと思うのですが––

自分のもっているアイテムが「型落ち」になり一気に安くなったのを知って、わかっちゃいるけどモヤモヤする事ありますよね?

今や新品でも19800円ですよ……(最安値の場合)

思わず野太い おねぇ声で「イミわかんない!」って言っちゃうほど安い訳です。

もしやと思ってメルカリを覗いたら、新古品みたいな程度の物が15000円前後で投げ売り状態なんですよね。(なかにはボロボロでも強気な値段設定のものもありますが)

その中で、新品購入して1~2回使っただけの物が14000円で出品されていて、ここは荒野のウエスタンかよと思いました。

商品説明には「新品で買って1~2回使ったけど、あわないので使ってないです。綺麗です。」って少し男勝りだけど、かれんな乙女の一面も持ち合わせた妙齢の女性が書いている訳です。(僕の勝手な願望です)

もうイミわかんないでしょ? 欲しくて買ったのに直ぐ売るって……(この時はまだ新品は25000円くらいが相場の時期でした)

たぶんイミわかんないくらいお金持ちの娘だと思うんですよ。 僕は下賤の者なので、少し耳に合わないくらいはちょちょっと外科施術すれば合うかなーとか考えちゃうんですけどね。

装着方法を確認してみるとか、イヤーチップを交換してみるとか、イヤホンと脳を直接つなぐとか、工夫次第で使えるかもしれないのにな、とか考えてしまうのは貧乏性でしょうか?

気付いたら僕のメルカリ購入ボタンが火を噴いてましたよ。

『WF-1000XM4』を予約してるし、なんなら「WF-1000XM3」のブラックを持っているのにですよ。 もうイミわかんないでしょ?

過剰な値崩れは人を狂わせますね。

メルカリ(魔境)での購入はショップ購入と違って自衛策をとらないと色々リスクがあります。

でも今回の出品者は心の美しい女性(願望)でしたから嘘つくはずないじゃないですか? ラッキーでした。(実際に傷一つ無くバッテリーもへたり無しでした)

ここまで値崩れするのは『WF-1000XM4』の発売が決まった事が影響している気がしてなりません。

今後は『WF-1000XM4』を購入した人が今まで使っていた「WF-1000XM3」を売る流れが加わって、更に安くなる可能性もありますね。(2021年6月15日現在でもメルカリでの出品数はかなり増えています)

個人的な意見ですが、ワイヤレスイヤホンは音質と機能性のバランスが重要なアイテムだと考えています。 音質が良くてもバッテリーが持たないと嫌だとか、いちばん重視する所は装着感だったり、コンパクトな物が良いとか––

人それぞれ、使用環境でも最適な物は変わってくると思います。

自分にとって最適なバランスをもったワイヤレスイヤホンに出会えれば、耳にとってそれはもう幸せな事だと思います。

良いワイヤレスイヤホンを手に入れて良きミュージックライフを–

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

SONY
WF-1000XM3 完全ワイヤレス ノイズキャンセリング
今となってはコスパの良い完全ワイヤレスイヤホンだと思います。
今後はもっと安くなるかもしれませんね。
SONY 完全ワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン
WF-1000XM4
LDACに対応していれば完全ワイヤレスで高音質を手軽に体感できます。
ノイズキャンセリングなどその他の機能もグッド!

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