アナグラのshinです。(前置きを飛ばしまくる)
泥のように睡魔に溶けて眠りたい。
そして、まぶた越しに光を感じて目を覚ます。
深夜から翌朝までの記憶など無い幸せな空白の時。
そんな風に眠りたいな。と常々おもっているのは長い間 不眠症に悩まされ続けたからです。
今はだいぶ良くなりましたが、それでも質の高い睡眠が出来ているとは言い難い現状です。
横になったらすぐ寝てしまい、気付いたら朝になっているなんて睡眠は一カ月のうちに2~3日あるか無いかといった日々です。
また寝付くまでには1時間から長い時では2時間ほどかかります。 寝入ってからは概ね6時間ほどの睡眠時間ですが、途中で少し目が覚めてしまい、ぼんやりとしている時間を挿むような睡眠がほとんどです。
寝付くまでの1時間から2時間ほどかかるこの時間には、音楽やラジオなど何かを聞いていないと寝付けません。 長年患った不眠症で身に付いた習慣の様なものです。
無音では余計に眠れません。
そんな事情があってか、気づけば睡眠のお供にイヤホンは欠かせないアイテムになっていました。
そこで今回は睡眠時の使用に特化したイヤホンを購入し、約4カ月ほど使ってみましたので、その感想を共有していきます。
就寝時に音楽などを聴きながら寝落ちする癖のある方は同志です。 ぜひ参考にしていってください。
期待を裏切らなかった ADV. sleeper LOOP
いいイヤホンは音の迫力などと相まって聴いていて気持ちが良いですよね。 でも寝付くためにリラックスしたくて聴いていると、その迫力が交感神経と副交感神経の切り替えを邪魔するような不快感に感じる時があります。
寝る前に、良い音をガンガンに鳴らして思いっきり音楽を楽しんでストレスを発散し、満足したら音楽を聴くのを止めて眠る。 これなら普通のイヤホンでも良いと思います。
ただ“音楽を聴きながら眠ってしまいたい”場合は、低音の迫力や高音の響きの良さなどが耳に付いて邪魔だと思っていました。
だからこそ『sleeper LOOP』の購入前に期待していたのは「音質に迫力が無い事」と「音量が小さい事」を期待していました。
幸運な事に、その期待は裏切られず安心しました。
『sleeper LOOP』を使い始めて真っ先に感じたのは“寝ながら使えるイヤホン”というよりは“寝付くのを邪魔しないイヤホン”といった印象で、期待通りのペラペラで迫力の無い音質と、極小音まで音量を絞れる機能が備わっていました。
手に入れた初日は、目的に適ったイヤホンを手に入れた喜びと興奮から、うっかり眠れなかったほどです。
ただ、このイヤホンを「寝ながら音楽を聴く時に快適な形状と材質のイヤホン」だと思って、値段なりの音質を期待して購入すると肩透かしを食らうと思うので気を付けて下さい。
このイヤホンは入眠を邪魔しない事に特化した『特別なイヤホン』です。
リラックスを邪魔しない音質
『sleeper LOOP』を購入する際、一番に期待したのはペラペラ音質です。
以前、入眠時に使用していた普通のインナーイヤー型イヤホンでは、音質に多少の迫力があり、それが寝つきの邪魔になる事がありました。
眠りに入ろうと微睡み始めると、バスドラムなどの低音の迫力や、ピアノなどの高音の甲高い響きが眠気から意識を引き戻す事が割とあるのです。
その為、入眠を邪魔しない為には音質に迫力や響きが無い方が良いと感じていました。
『sleeper LOOP』の音質は、音楽を聴く際に主張の強くなりがちな音域が普通のイヤホンと比べて抑えられており、ぺらっぺらのうっすーい音質になっています。
重厚さや響きの広がりなんてありゃしません。
実際、寝付の邪魔をしない事を考慮すれば都合の良い音質で、このペラペラ音質が期待していたものだったんです。
それでも音の解像感はそこそこあるので、音質が悪くて聴いていて嫌になるという事はありませんでした。(でも元々2000円程度のイヤホンなので音質の良さに期待して購入するものでもありません)
この期待通りのペラペラ音質と、あと“もう一つ”期待していた性能があります。
それは「極小音量」で、そちらも期待以上の性能でした。
最小音量の限界を攻める事が出来る
入眠時に普通のインナーイヤー型イヤホンを使用していて感じていた不満点に「もっと音量を下げたくなる」事がありました。
寝ながら音楽を聴いて、いよいよ眠くなってくると音量を下げて行きます。 そして音量を最小の“1”にしても、まだウルサイと感じてしまう変態なんです。
それでも無音の方が寝られないので、しかたなく使っていました。
購入前に『sleeper LOOP』を調べると、リモコンに独立したボリューム調整機能が備わっているのを知って、現状よりも更に小さな音量で聴けるかもと期待したんです。
実際に使用してみると期待通りの機能で、例えば再生機器側で音量を“50”に設定していたとします。
再生機器の音量50の状態から『sleeper LOOP』のリモコンに付いている+と-のマークが付いているスライダーを動かして更に音量を小さくする事ができます。
再生機器側の音量を最低の“1”に設定していても、『sleeper LOOP』側の音量調整機能で更に小さい音にする事が可能で、調整の仕方によっては『自分が何を聴いているのか分からないけど、なんか遠くで何かが鳴っている』くらいの音量にする事も可能です。
このリモコンに付いている音量調整のスライダーが、入眠時に聴きたかった「耳を澄ますと遠くから微かに聞こえる音(音楽)」を再現できる為、今のところ他に代わるものがなく、毎晩手放せなくなっています。
よくあるリモコン付きイヤホンの音量調整機能は、接続している機器の音量調整をリモコン側で行うものがほとんどですが『sleeper LOOP』のように別系統として独立した音量調整が行えるリモコンを備えたイヤホンはあまり見かけません。
音量をもっと小さくしたいと考えているなら、一考の価値ありです。
ただし『sleeper LOOP』は、同じ音量設定にしても普通のイヤホンと比べて音量が小さく感じるイヤホンなので、いつも使っている機器で音量を最小にすれば、それだけでも十分に音が小さいと感じる人もいると思います。
寝返りOK 耳への負担が少ないハウジング
中身を疑うような小さなハウジングも宣伝どおりで、横になっても耳が痛くなり難く、『sleeper LOOP』を付けたまま寝落ちしてしまっても、耳への圧迫感に眠りを邪魔される事は激減しました。
恐らく、装着した時に耳穴から出っ張らないような形状と、ハウジング全体がシリコンの柔らかい素材で出来ているためだと思います。
ただ、全く圧迫感を感じなくなったかといわれると そんな事は無く、長い時間 頭を横にしているとさすがに耳に圧迫感を覚えて、イヤホンを外す為に少し目が覚めてしまう事はあります。
それでも今まで使用していた普通のインナーイヤー型イヤホンと比べれば天地の差なので一応の満足はしています。
『sleeper LOOP』の安さ
価格は2千円前後と、手を出しやすい価格だと思いました。
これなら雑に扱ってダメにしてしまっても、直ぐに買い替えが出来るし、予備の購入も容易だと思います。
カラーバリエーションもホワイト、ブラック、ネイビーとあります。
デザイン的な機能性
イヤホンにありがちな、どっちがL側でどっちがR側なのか分かりずらい事がありますが、リモコンからLとRで二股に別れたコードは左右で色違いになっているので、判断が付くように工夫されています。
ちなみに僕が購入した『ホワイト』は片方が“白”で片方は“ちょっとくすんだ白”です。 結局分かりづらいです。
ただ、寝るときに暗い部屋で使うので「色とか関係ねぇな」と思いました。 (ちなみにブラックやネイビーはLRが判別しやすいコントラストになっています)
他の機能性としては、機器に接続したあとのコードを邪魔になりにくい方向に逃がしやすいL字型の形状をしたプラグ部分です。
また、このL字型のプラグ部分には、プラグを差し込める穴の開いたタグのような部分が備わっていて、コードを巻いてまとめる際に、巻いたコードを更にL字型のプラグ部分で巻く様にしてタグにプラグを挿せば、全体がばらけないように留められる工夫がされています。
『sleeper LOOP』の悪い所
個人的な要求は割と満たしてもらっているのですが、強いて挙げるならリモコンの音量調整がシビアです。
音量調整をするスライダーの移動幅が狭いので、仕方のない事だと思いますが、爪を引っ掛けてじわじわと少しずつ動かさないと極端に音量が変わってしまうピーキーさがあります。
任意の音量にするには慣れが必要だと感じますが、それも三日で慣れました。
あとイヤーピースがMサイズ(相当)しか付属していないので、サイズが合わない場合に『sleeper LOOP』に合う物を探す手間と追加の出費が必要になる事です。
2千円前後の低価格の為か、SサイズやLサイズのイヤーピースは付属していないので、Mサイズが合わないという方は手間と追加の出費を許せるかどうかを検討しなければなりません。
最後に、ケーブルに服や手が当たった時の音がイヤホンから鳴りやすい事です。
僕は寝相が良すぎて全く動かない事から、その寝姿を「古代エジプトの棺」と称賛されるビックリするほどファラオなヤツなので全く問題ありませんが、普通の寝相だとケーブルに何かが当たる音が気になるかもしれません。
ただ、ケーブルを服に留めるクリップが付属しているので、それを使う事で多少緩和できます。
おわりに
こんなニッチなアイテムほしがる人は多くいないだろうなと思います。
それでも、決して売れ筋ではないであろうイヤホンを世に売り出してくれたメーカーに感謝しています。
ただイヤホンとして一般的な音質の良さを目指したモノではないという所で、誤解されやすそうなアイテムだな とも感じるので、今後このプロダクトが続いて行ってくれるのか少し心配になります。
少しだけ話が脱線しますが–
先日、安い値段でトンカツを食わせてくれるチェーン店に行きました。 松のやと言うお店なのですが…
その 松のや にて、上品なおばあ様が食事後にアルバイトの店員にやれ「肉の質が良くない」だの「味噌汁がしょっぱい」だのとクレームを付けている光景に出くわしました。
この上品ばばあは、松のやが高級料亭かなにかだと勘違いしてしまったのでしょう。 松のやはラードで脳にドーパミンをキメるジャンクな場所です。
なぜこの様な、目的と場所をはき違えた滑稽な人が来店したのでしょうか? 僕は店を出て振り返って気づきました。 その店舗は「居抜き物件」で、料亭の様な佇まいを再利用した店舗だったのです。
所で『sleeper LOOP』の話に戻りますが、パッケージには“Hi Res AUDIO”のマークが印刷されています。 これは勘違いしますよ。
Amazonなどでレビューを覗いて見て下さい。(覗かなくていいです) 『sleeper LOOP』のレビュー欄にも「元料亭居抜き店舗 松のや」と同じ事が起きています。(後々見たら勘違いレビューは消えていました)
低価格であり、更に特殊な使用用途を想定したイヤホンですが、ハイレゾマークなんて付いているから勘違いしてしまう人は出るだろうし、そりゃあ恨み言の1つも言いたくなりますよね。
このイヤホンの特徴は、小さな音量で音を鳴らせる事と、寝付の邪魔をしないための迫力の無い音質と、耳への負担の少なさです。
寝る前に、ヘヴィメタを大迫力の爆音で鳴らして耳をしばき倒してスッキリしてから寝たい人は、くれぐれもこのイヤホンを選ばないように気を付けましょう。
ここまでこの記事にお付き合い頂き、ありがとうございました。
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