『WF-1000XM4』が届いてからイジリ倒して遊んでいたのですが、購入初日の時点で気になる点がいくつかあったので、自分で調べたりサポートへ問い合わせたりしてみる事にしました。
色々と調べつつ、平行してサポートとの約3週間かけたメールでのやり取りを先日終えてわかった事は『よくわからない』という事実でした。
いちおう誤解の無いようにここで述べておきますが、現状でもWF-1000XM4は高品質でクオリティの高い完全ワイヤレスイヤホンです。
ただ一部の機能に懸念が残るのも事実です。
- スマホの設定を音質優先にした状態でLDACを使用すると屋外では使い物にならないほど途切れる。
- LDAC使用中だとDSEE Extreme オート にしてもDSEE ExtremeがONにならない。
- どの機種/アプリがDSEE Extremeの対応機種なのかわからない。
- 稀に片耳から音が出なくなり操作不能になる。
- ノイズキャンセリング使用時に唸り音が聴こえる件(最新のアップデート、バージョン1.2.6にて改善)
この記事では上記の状態についてサポートへ改善方法などを問い合わせた結果を共有しています。
購入前の方は、納得した上での買い物になるように参考になればと思います。
またWF-1000XM4はバージョンは2021年7月27日に配信された最新のバージョン1.2.6にアップデートした状態での内容になります。
スマホの設定を音質優先にした状態でLDACを使用すると屋外では使い物にならないほど途切れる件について
残念ですが屋外では最高音質の設定で音楽は聴けないようです。
実際に“自動”だとほとんど途切れないほどに通信の安定性が改善されます。
ただ、僕の質問は「再生機器とイヤホンの距離が50~60㎝程度の至近距離でも途切れる状態は正常ですか?」とうものです。
屋外でも最高音質の状態でLDACを使いたかったので、SONY側が屋外で想定している使い方が分かればと思ったのですが“屋外では周囲の環境に影響を受ける”との回答しか頂けませんでした。
屋外で音質優先にしたLDACの運用を考えている方は、そういうものだと思って購入を検討したほうが納得がいくと思います。(接続優先でも十分いい音だし途切れにくいですよ)
ただ“自動”でも音質が良い事には変わりありません。 個人的に最高の状態を攻めて見たかったというわがままです。
機種やAndroidのバージョンによっては音質優先/自動の切り替え項目自体がないものもありますが、概ね以下の手順となりますので、確認してみてください。
- WF-1000XM4をBluetooth接続します。
- 設定をタップ
- 機器接続をタップ
- 接続中のWF-1000XM4の表示の隣に歯車マークがあるのでタップ
- メニュー内の「ワイヤレス再生品質」をタップ
- 表示された画面内に音質優先と自動の項目があるのでどちらを使用しているか確認と変更ができます。
一応改善案として自動にする事を提案されているので、もし自動にしても屋外で音途切れが頻発するようなら、サポートに問い合わせてみたほうがよさそうです。
LDAC使用中だとDSEE Extreme オート にしてもDSEE ExtremeがONにならない件について
公式ページにはLDAC使用時にMP3などの圧縮音源やCD音質の音源をDSEE Extremeを使用する事で96kHz/24bitのハイレゾ相当へアップスケーリングすると明記されています。
また注意書きには、一部機種が対応していない事と、一部アプリが対応していない事が書かれています。
実際に使ってみると、現状どんな設定でもDSEE ExtremeがONになる事はありません。
一例ですが、スマホの設定を【接続優先】【DSEE HX OFF】【イコライザーなどの設定も全てOFF】 この状態でWF-1000XM4を接続しHeadphones Connect(アプリ側)でDSEE Extremeをオートにします。
次にSpotifyやAmazon music(サービス側)のストリーミング設定で最低音質から最高音質まで全ての設定でDSEE ExtremeがONになるか検証しました。(サービス側のイコライザーなどももちろんOFFです)
またSONYの音楽プレーヤーアプリ「Music center」でMP3の圧縮音源やCD音質の音源などもローカル再生してみました。
他にも、DSEE ExtremeがONになるはずのあらゆる設定を試し、その検証結果 全てにおいて機能がONにならない事を伝えました。
サポートからの回答は「DSEE Extremeは圧縮音源であっても、96kHz/24bitにアップスケーリングされていればONにななりません」というもので少し困惑しました。
検証結果としてはアップスケーリングされていない圧縮音源であっても機能がONになっていない事を伝えていたからです。
更に「ストリーミングサービスの仕様でアップスケーリングを行っているのかどうかも分からないのでサービス側へ確認してください」との事でした。
そして「よくわからないので答えたくない」という文言で締めくくられていたので、この件はこれ以上の問い合わせはしない事にしてクローズとしました。(自分でも引くくらい詳細な検証結果を送ってます。 キモイですよね☆ なんか申し訳なくてこれ以上は追究できませんでした)
メールでのやり取りを終えた後に、やっぱり気になってAmazon music側にも「アップスケーリングを行っているか」問い合わせをしてみました。
Amazon側の回答は––
「音質の表示が“HD”となっているものはハイレゾ並みへのアップスケーリングを行っているが、Amazon musicアプリ内のストリーミング設定から標準を選択するとアップスケーリングはされません」との回答をいただきました。 (Amazon music HD 会員の場合)
Amazon musicでの“HD”音源はCD音質(44.1kHz/16bit)です。
今回の検証をするにあたって、Amazon musicアプリのストリーミング設定で “標準” も含め行っていますが、CD音質以下の再生品質でもDSEE ExtremeがONになっていない事から謎に一歩近づいただけで、終わる形になってしまいました。
色々と細かい検証結果をサポートに投げかけましたが、最初から僕の質問は「どうすればDSEE ExtremeがONになりますか?」という意図でした。
今回の問い合わせでは、最初から最後までONにならない理由は教えてもらえましたが、ONにする方法は何も得られませんでした。
どの機種/アプリがDSEE Extremeの対応機種なのかわからない件について
サポートの方に対応して頂く中で、Xperia1を含む3機種を使用して検証している事と、公式のページには一部機種がDSEE Extremeに対応している旨が明記されています。
しかし「どれが対応機種でどれが非対応なのかが分からない」と訊いてみてはいましたが、最後まで明確な回答は得られませんでした。(今回こちらが使用した機種については非対応だとは言われませんでした。 ……対応とも言われてませんが)
例えばDSEE Extremeがどうやっても使えない訳ですから、僕の使っている機種が非対応の機種なら回答は「非対応です」で済みますよね。
また対応アプリについては、Android端末であればOSベースで対応しているので、好きなアプリをインストールして使えますとの回答を頂きました。(SpotifyとAmazon musicで使えない事は伝えてあるのですが……)
ただ少し驚いたのはウォークマンNW-A100シリーズ(NW-A106)については、W.ミュージックしか動作確認をしていないので、他のアプリについては分からないという回答でした。
ストリーミングWalkmanを名乗っているのに、ストリーミングサービスを行う他のアプリについては動作未確認というのはかなり思い切った回答だなと思いました(笑)
稀に片耳から音が出なくなり操作不能になる件について
左右どちらかのイヤホンから急に音が出なくなり、操作不能になる件は本体のリセットやアプリの再インストールなどをアナウンスされ実際に試しました。
リセットをした事で頻度は減ったようですが、間違って全てのリセット作業を一気に行ってしまった為、切り分けが出来ず、どれが原因か分かりませんでしたごめんなさい。
行ったのはイヤホン本体のリセット、再生機器の再起動、アプリの再インストールで、全てを一気に行ってしまった為、どこが原因か特定できませんでした。(この時ちょっと面倒くさくなってましたごめんなさい)
ただリセット後も稀にですが、R側のイヤホンから急に音が出なくなり操作不能になる事があり、不安が残る状況です。
音が出なくなってからしばらくすると、イヤホンの電源がONになった時の「バッテリー残量」のアナウンスが流れるので、どうやら電源がOFF/ONしているようです。
一応サポートからは、ご希望なら調査しますけど的な回答をもらっているのですが、こんな面白い個体を渡して万が一別の物と交換されたらつまらないじゃないですか。
不具合満載の(可能性があるw)初期ロットですよ? 限定仕様といっても過言じゃありませんからね。
ノイズキャンセリング使用時に唸り音が聴こえる件について
ノイズキャンセリングONの時に「ボァン」とか「ブゥン」みたいな唸りが聴こえる件に関しては、SONYでも把握しており現在対応中との回答いただきました。
アップデートで解消する希望が垣間見える明確な回答で少しほっとしましたね。 とか書いていたその日(2021.7.27)に最新のアップデート、バージョン1.2.6 が配信され唸り音は無くなりました。
おわりに
いろいろと調べていて気付いたのですが、DSEE Extremeに関しては、去年のWH-1000XM4(オーバーイヤーヘッドフォンの方)の発売日以降でもONにならないという人がいるみたいですね。
LDACで受信してるんだから使えなくて当然、とレスされていましたがSONY公式ページにはLDACでもDSEE Extremeで圧縮音源やCD音源をアップスケーリングする旨が書いてあるので、なんかモヤモヤする話ですね。
僕もLDACに対応した事と、DSEE Extremeが同時に使える事を見て「コーデックによるロス無しで伝送できる上にハイレゾ相当にアップスケーリングもできる」と期待して買いました。
「WF-1000XM4を使えば場所を選ばず手軽に、聞きなれたCD音源を更に楽しめる」そう考えた訳です。
しかも同時期にAmazon music HD が追加料金なし(Amazon musicメンバーなら)で使える事になり、CD音質の音源なんて聴ききれないほど大量に聴ける状況になった事がワクワク感を高めたんですよね。
もしかしたらDSEE Extremeの機能に期待を寄せていた人なんて少数なのかもしれないですけど、あんな大々的に宣伝されているの見たら期待しちゃうじゃないですか? しません?
なんでこんなにこだわっているのかと言うと…
話が長くなるのでざっくり説明すると、以前の記事でも書いていますが僕は重度の不眠症でした。寝たくても寝れない時に無音だと精神的に耐えられないので音楽を聴きながら横になっていました。
短い時は6~7時間くらい、長い時は8~9時間くらい音楽を聴き続けるのですが、ずっと聴き続けていると音に対して過敏になって音楽がうるさく感じてくるんですよ。 そしたら音量を下げて行くんですけど、最終的に音量1(最低音量)でもうるさく感じるくらいになってしまうんです。
でも夜の無音の中で長時間ただ横になっているだけなのが耐えられないので“音量1”で音楽を何時間も聴く、という生活を毎日7年以上続けた訳です。
今は不眠症も改善しつつあって、寝れる日も増えてきました。
不眠症で嫌な思いは多くしましたが、代わりに音を聴き分ける訓練になったんじゃないかと思って手持ちのオーディオ機器をレビューする事が役に立つかもとこんな記事を書いている訳です。
そんな変態だからなのか、LDACとかDSEE Extremeとか音の変化を確かに感じる分、楽しみにしていた気持ちもひとしおだったという事なんです。
フタを開けて見たら子供の頃からよく見る「嘘はついてないけど本当の事もいってない商法」にまた引っ掛かった見たいな気分ですけどね。(食品とかこの商法多いよねw)
この商売方法には引っ掛からない様に訓練されてきたと思ったのですが、今回は僕の負けのようです。
でも実際はどうやったら普通にDSEE Extremeが使えるんだろう? その機種はなんだろう? 使えるならぜひ使って見たいという気持ちはまだあります。(DSEE Extreme OFFでもすんげぇ良い音ですよ)
いちいち開発者オプションからサンプリングレート変更するの面倒くさいし、普通に使えるようにならないかな。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。
スマホの設定を“音質優先”にした状態でLDACでの屋外使用は、周囲の環境に影響されて通信不安定になるので、再生機器(スマホ)の設定を音質優先から“自動”にして下さいとの回答をいただきました。