「ロジクール MX Master 3」に乗り換えて気付いた『Microsoft プレシジョンマウス』の良さ

アナグラのshinです。

ずっと「ロジクール MX Master3」を使ってみたくて、一年以上使用し慣れ親しんだ『Microsoft プレシジョンマウス』を下取りに出して乗り換えました。

しかし「ロジクール MX Master3」を使う事で浮彫になった『Microsoft プレシジョン マウス』の良さがあったので紹介しようと思います。

2020年11月現在ロジクールの新しいワイヤレスマウス「MX ANYWHERE3」が販売されていますが「プレシジョンマウス」と値段帯が同じなので購入を迷っている方がいるかもしれません。 そういった方にも参考になればと思います。

(ロジクール MX Master3についてはまだ使用期間が浅いので、もうしばらく使い倒したら後日使用感などを記事にしようと思います)

Windowsとの相性が抜群

「Windows」も『プレシジョンマウス』も同じマイクロソフト製なので当たり前といえばそうなのですが「MX Master3」のマウスを使った際に最初に気づかされた点が相性の良さです。

「MX Master 3」を使用ていて、Windowsのアップデートや、マウスのコントロール用アプリのアップデートなど、頻繁ではないにせよ、OSとアプリの相性に問題が生じるのかマウスの設定がデフォルト設定に戻ってしまったり、ペアリングをやり直さなくてはならない事態がありました。

また、僕の環境下だけかもしれませんが、パソコンがスリープ状態から復帰すると「MX Master 3」の設定がデフォルトになり、毎回マウスのOFF/ONをしないと設定が戻らない現象があります。

それに対し、プレシジョンマウスは一年以上の使用期間を通して、ただの一度も何ら問題はありませんでした。

以前、緊急対応が主な現場にいた事があるのですが、急にマウスの挙動が変わったり、操作不能になったりしたらと考えるとゾッとします。

仕事での使用を想定していて、Windowsパソコンを使うなら、シビアな環境ほど「プレシジョンマウス」の方が安心できると思っています。

また「MX Master 3」はサインイン画面時、マウスの設定が読み込まれていないのか、デフォルト設定になっているようで、マウスカーソルの速度がいつものスピードではなく、Windowsサインイン後、暫く経ってから設定が読み込まれ、いつも通りの挙動になります。

これも『プレシジョンマウス』では、パソコンの電源を付けてマウスカーソルが現れた時から、自分が設定したいつも通りの挙動をするので、相性の良さを気づかされた点でした。

エルゴノミクスデザインの優しさ

「プレシジョンマウス」「MX Master3」ともに、人間工学に基づくエルゴノミクスデザインで、マウスに乗せる手首への負担を軽減する工夫がされています。

この両者のエルゴノミクスデザインに共通すると感じた所は、手首への負担の少なさなのですが、ニュアンスに微妙な違いを感じました。

僕は両手が腱鞘炎という残念な手をもっているのですが「MX Master3」を買う為に「プレシジョンマウス」を下取りに出して、1週間ほど予備のモバイルマウスを使っていました。

モバイルマウスは小ぶりな形状と軽さで持ち運びには便利なのですが、手首への負担を抑える機能性はない為、腱鞘炎が悪化してペットボトルのキャップを開けるのも苦痛に耐えなけらばならないほどになってしまいました。

その後、やっと「MX Master3」が手元に届き、使い始めると悪化していた腱鞘炎は良くなり始め、やがて痛みはなくなりました。(青汁のCM感)

「プレシジョンマウス」から「モバイルマウス」を使い「MX Master3」に乗り換える流れで気づいたのは『エルゴノミクスデザイン』の機能性に、手への負担が軽減する効果がある事を、身をもって心底実感した事です。

その上で、どちらの形状が好みか考えると個人的には「プレシジョンマウス」でした。

同じ『エルゴノミクスデザイン』といえど、両者とも形が違います。

手を乗せた感覚としては「MX Master3」は手のひらに感じる当たりが強く、しっかり握っている感覚が感じられる形状だと思います。

それに対して「プレシジョンマウス」は手のひらのカーブに自然と沿うような優しいフィット感で、手を乗せていてリラックスできるような感覚がありました。

例えると「MX Master3」は操縦桿の様な握り心地でハンドリングの良さを感じますが「プレシジョンマウス」は椅子のひじ掛けに手を置いているようなリラックス感があり、ずっとマウスに手を置いていられる感覚です。

両者ともに同じ『エルゴノミクスデザイン』で腱鞘炎の僕でも手の痛みを抑えてくれる機能性があるのですが「プレシジョンマウス」はずっと手を乗せていられる様な“優しさ”を感じる形状でした。

マウスホイールの挙動

どちらのマウスも似たような機能を備えたマウスホイールを搭載しています。

マウスホイールの物理的な動きが違うだけで、実際の画面上での動きは両者ともに似たようなものです。

「MX Master3」の金属製で重厚感のあるホイールです。

「MX Master3」はマウスホイールを強めに弾くように回すとマウスホイール自体がしばらく回り続ける「フリースピン」という機構を持っています。(ハンドスピナーみたいで意味なく回したくなるやつです)

これはブラウザやExcelなどで、マウスホイールの回転に合わせ高速にスクロールさせる事が出来る機能です。

「プレシジョンマウス」も金属製のホイールです。

「プレシジョンマウス」でも高速スクロールが可能で、マウスホイールを強めに弾くように回すと、マウスホイール自体は回転し続ける事はありませんが、弾かれた強さに応じて高速スクロールします。

この高速スクロールする為のマウスホイール自体の挙動が「MX Master3」は実際にマウスホイールが回り続けている為に、誤作動の原因になっています。

「MX Master3」のマウスホイールを弾いて回した後、回り続けているのに気づかずに別のウィンドウをアクティブにしたり、別のパラメーターなどを操作する場所をクリックすると、マウスホイールの回転操作が生きている為、意図しない操作が反映されてしまいます。

これは「プレシジョンマウス」を使っていた時には無かったミスで、一度回したホイールは止める、という作業が増えてしまった事に僕自身がまだ慣れていない結果だと思います。

他にも、少し回したつもりで回転していないと思っていたホイールが実は回転していて、意図せずスクロールしてしまったりする事も多いので、慣れるまでは操作ミスが続くかなと思っている所です。

作業ミスという観点からみると「プレシジョンマウス」のマウスホイールは、ホイール自体が回り続ける訳では無いので「MX Master3」で起きている様なミスは全く無い事から、仕事などのシビアな作業環境に向いてると感じました。

また、仕事で使おうと考えている方にとって、高速スクロールの機能は全く使わない訳ではありませんが、恩恵を感じられる機会が少ない機能だと思います。

売り文句で“1秒間に1000行スクロールできる” といったものを見かけますが実際の現場で何千行ものExcelデータをスクロールで探している人を見た事がありません。

メーラーを使った作業も毎日何百通も届いて蓄積していくメールをスクロールで探す事はありません。

大量のデータは「検索」とか「フィルタ」で抽出して、この辺だなという所をゆっくりスクロールして探す事がほとんどで、高速スクロールしてもせいぜい1~3画面分くらいだと思います。 大量にスクロールする事も、高速でスクロールさせる事も稀な操作です。

ブラウジングで調べものをするにしても「ページ内検索」を多用する方が殆どでしたので、職場でofficeソフトを使ったり、ネットでリサーチをするといった用途なら“ホイールによる意図しない動作”への懸念や気遣いが要らず、必要な時にだけ高速スクロールが使える「プレシジョンマウス」に軍配があがるかなと思っています。

値段が安い

もちろん「MX Master3」と比べての話です。

「MX Master3」にできる事は「プレシジョンマウス」でも大体できます。

違いはジェスチャー機能とサイドホイールで「プレシジョンマウス」にはジェスチャー機能は無く、サイドホイールもありません。

ただ作業内容と機能性を鑑みて、ジェスチャー機能もサイドホイールもいらない場合は、Windowsアップデートがあっても動作が不安定になる心配は少ないし「MX Master3」並みの高機能というのもあって「プレシジョンマウス」にコスパの高さを感じるかもしれません。

「MX Master3」は1万4千円強。 「プレシジョンマウス」は9千円強といった値段なので、差額の五千円がジェスチャー機能とサイドホイール代と考えると、この二つの機能をどう使うかで価値が変わると思います。

逆に「MX Master3」に無くて「プレシジョンマウス」にある機能は『マクロ機能』で、仕事などで繰り返しの操作が多い場合はよりコスパの高さを感じるマウスかもしれませんね。

プレシジョンマウスの総評

二つの高級マウスを使う事で見えてきた「プレシジョンマウス」の良さをまとめると以下の通りです。

  • Windowsとの相性がよく、アップデートなどによる動作不良が少ない。
  • マウスに手を乗せているのがラクに感じる形状。
  • ホイールの回転機構による意図しない動作が起き難い。
  • 高機能、高精度のマウスが一万円を切る価格で買える。

「MX Master3」と比べて「プレシジョンマウス」は地味かもしれませんが、良く言えば“いぶし銀”なマウスだと思います。

マウスに対して当たり前に求められる事を、当たり前にこなしてくれる。 どの機能を見ても安定感のあるマウスでした。

おわりに

なんか「プレシジョンマウス」にくらべて「MX Master3」が劣っているみたいな雰囲気の記事になってしまいましたが、どちらにも一長一短があり「プレシジョンマウス」の良い所だけを比較の形で紹介したのでそう見えるだけです。

個人的には「MX Master3」最高です。 好きです。

office以外に、ライトルームやフォトショップなどの画像編集ソフトも扱うので、割り当てられる機能が多く、サイドホイールがある事などが大きなメリットになっていてすんごい気に入っています。

電磁気スクロールコントローラーといったギミックも大好きです。 役に立つかどうかは二の次でロマンがあればそれだけで幸せです。

トランスフォーマーだって「車がロボットに変形したら走るの遅くなるから……」 なんて言っていたら生まれてなかったと思うんです。

車がロボットに変形する → かっこいい! こんな単純なロマンで世界中で愛されています。

だからそろそろロボットに変形させられるマウスが発売してもいいと思っているくらいです。 それかミニ四駆にもなるマウスでもアリだと思います。(画面上のカーソルが上にぶっちぎります)

そういった訳で「MX Master3」には大して不満を感じていません。 強いて言うなら「電磁気スクロールコントローラー」というネーミングの頭に「超」を加えて欲しかった、という事くらいです。

ここまで「MX Master3」をフォローしていると「プレシジョンマウス」をないがしろにしている様に見えますが……

予算をケチって「プレシジョンマウス」を売っぱらってしまた事を後悔しているのも事実です。 失ってから気づくこの思い。 そんな感情を原動力にこの記事を書きました。

正直、本当に買い直そうかと迷っているほど良いマウスでした。

ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。

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