2020年の今となってはSONYのコンデジ「RX-100M4」は古さを感じさせない高コスパカメラでした

アナグラのshinです。

スマホで写真を撮っていたら、ある日「もっと力(高画質)が欲しい」と開眼する人が少なからずいます。

そのうちの1人が僕です。

カメラはデジカメしか使った事がありませんが、今までにcannonの「EOS 5D」Nikonの「D5300」とデジタル一眼レフカメラを使ってきました。

その後、ブログ運営を切っ掛けにコンデジを買う事にしたのですが、いくつかの条件を設けて全てをクリアしてくれたのがSONYの『RX-100M4』でした。

この記事では、スマホの写真とは一味違った写真を撮りたいと考えている人へ向けて、ぜひ参考になればと2015年発売の『RX-100M4』を静物や風景撮りをメインに1年間使った感想を、購入前の“カメラ選びの条件”と合わせて、今更ながらレビューしていきます。

コンデジを選ぶ際の条件

画像はRX-100M4にフィルターアダプターを装着しています。こういうカスタムが出来るのも楽しかったです。

そもそもコンデジの購入を考えた切っ掛けは、ブログ用の写真を撮るのに使っていた「D5300」がデカくて嵩張っていたため、コンパクトで取り回しの良いカメラの必要性を感じていた事です。

スマホのカメラならコンパクトで取り回しもいいからと使ってみたものの、一眼レフの写りと比べて見劣りするので、ブログ用の写真としては厳しいな(個人的な拘りです)と思い“コンパクトで一眼レフカメラの代替としての性能をもったカメラ”を探し、辿り着いたのが「RX-100M4」でした。

ファインダーがある事

ポップアップ式のEVF(電子ビューファインダー)です。

条件の1つが“ファインダー”がある事です。

液晶画面のみでのフレーミングだと、太陽光の下では光の反射で画面がほとんど見えない事が多いので、ファインダーがあった方が便利というのが理由です。

嘘です。 形から入る性分なので、ファインダーを覗く事で“カメラを撮っている感”に浸りながらカッコつけたかったからです

ブログ用の写真として、日中に太陽の下で撮影する事はほぼ無いのですが、趣味の撮影にも使う事を想定するとファインダーは必須でした。

実際「RX-100M4」のEVFは明るくて見やすく、真夏に太陽光の下で液晶画面での確認が辛い状況でも、問題なくスムーズに撮影ができるので助かりました。

部屋の中での撮影でも、窓から太陽光が差し込む状況では、液晶画面だと露出(写真の明るさ)の細かい確認が難しい時があったので、ファインダーの出番は多かったです。

ファインダーに慣れてしまうと、液晶画面だけでしかフレーミングできない事に不便を感じます。

2000万画素以上ある事

次の条件は、写真をクロップして引き伸ばす事を想定していたので、画をある程度引き伸ばしても精細さをキープできる様に2000万画素以上は欲しいなと考えていました。

この条件はそこまで重視していなかったのですが、実際に使ってみて何度も助けられた所です。

物を撮る事が多いのですが、例えば食品の成分表や、家電の仕様といった、写真全体の中のほんの一部分だけをクロップする事があり、かなり小さい範囲だけを切り取って引き伸ばしても十分確認できるほどでした。(これは極端な例ですけど)

2000万画素もあれば、スナップ撮影などでゆっくりフレーミングしている間がなく撮った写真でも、後からクロップして整えられるなという安心感がありました。

嘘です。 撮影スキルが低いのでガッタガタの写真を後で何とかできる様にです。

マクロ撮影ができる事

寄れるギリギリまで寄って、一部を主張した写真が撮れます。

コンデジなら大体“マクロ撮影”ができると思うのですが、センサーサイズが小さい事の強みですね。

同じくセンサーサイズが小さいスマホのカメラ並みに被写体に寄れたら便利だなと考えていました。

「RX-100M4」だと24mm(ワイド端)で5㎝の距離まで被写体に寄れるので、一部をクローズアップして見せたい時にも対応できます。

この仕様は、スマホでマクロ撮影している感覚と似たような距離感で撮影できたので、一番使いやすいなと感じた所です。

5㎝まで寄れる事は買ってから気づきました。 最短撮影距離5㎝が楽しすぎて購入当初はマクロ撮影ばかりしてました。 すごく楽しい。 今後コンデジを買う時は最短撮影距離を重視すると思います。

ボケ味を出せる事

背景をボカシて被写体を目立たせたり、遠近感を出したり出来ます。

スマホではまだまだ出しにくい表現が『ボケ』ですね。(ソフトウェアでの対応で出す事は可能ですが、光学的な自然なボケ表現はまだ出来ないようです)

カメラのセンサーサイズは、小さくなればなるほど“ボケ”が出難くなります。

ピントを合わせた所から前後がボケて被写体を強調する事が出来るのですが、このボケ具合の効きはカメラレンズの「F値」で変わり、数字が低ければ低いほど大きなボケを得られます。

以前使っていたNikonの「D5300」ではF4.0からのレンズを使っていましたが、それと同等かそれ以上のボケ具合は欲しいと考えていました。

「RX-100M4」はF1.8~F2.8のレンズです。

F値でみれば、Nikonの「D5300」よりボケる事になりますが「D5300」はセンサーサイズがAPS-C(23.6mm×15.8mm)なのに対して「RX-100M4」は1型(13.2mm×8.8mm)と小さいのでボケが出にくいです。

それでも1型サイズセンサーのF1.8は、APS-CサイズセンサーのF3.6相当なので、条件をクリアしています。

実際に撮った感じも「D5300」と比べてボケ量が不足していると感じる事はありませんでした。 むしろマクロ撮影ができる分、ボケを活かした撮影は「RX-100M4」の方が取り回しがよく便利でした。

薄情すると、買った後でセンサーサイズが小さいとボケが出難い事を知りました。実際は「F4からF1.8になったから超ボケ倒せる!」とか思っていましたが、初めてRX-100M4のF1.8で撮った感想は「あれ? 思ったほど激しくボケてない…… なんで?」と思ってました。

そうは言っても以前よりボケている事は確かなので「ま、いっか」と暫く事実を知らないまま使っていました。

価格が安い事

最大の条件として“低価格で手に入る”事でした。

悲しい事に潤沢な資金がある訳ではないので、安いカメラを探すしかありませんでした。

そうなると、型落ちの古いカメラが候補に挙がるのですが「RX-100M4」を購入した2019年当時は新品で7万円強だったのですが、たまたま買うと決めた時期に、中古で状態の良い物が5万円強だったので迷わず購入しました。

2020年8月現在は、新品で8万円ほど、中古の良品は相変わらず5万円代です。

最新の「RX-100M7」が新品で13万円ほどですから、かなり予算を抑える事ができました。

満足です!

本当は歯ぐきから血がにじむほど奥歯を噛みしめて言いたい。 「本当はRX-100M7が欲゙じい゙」

RX-100M4を1年間使ってみて自分にはオーバースペックだと思った所

キレッキレの描写でレタッチも楽しいカメラでした。 こんな風に雑草とるだけでも楽しかった。

ここからは購入後、ブログ用途と趣味の風景撮影(たまにスナップ)などで1年使ってみて、自分には無用の長物だったな、全然使いこなせなかったな、という素晴らしい機能の一部について書いています。

「RX-100M4」購入前はコンデジの取り回しの良さとコスパを期待していたので、一眼レフカメラほどの描写力やAF性能は期待しておらず、一通りの事がそれなりにこなせれば良いな、くらいの期待値でしたが、使って見ると自分の用途に対してはオーバースペックで、過剰なほど高性能でした。(型落ちで古いという事もあり舐めてました)

オートフォーカスが高性能すぎた

動く猫や犬を撮ったりはしません。 転げまわる子供も撮りません。 荒れ狂う獅子舞も撮る予定がありません。

そんな動き回る被写体にも“ロックオンAF”機能で被写体にピントが追従する。 そんな素敵な機能ですが、使いこなす場面はありませんでした。

更にピントが合うスピードが速くて正確です。 コンデジだからオートフォーカスのスピードも精度も“コンデジの中では良い方”みたいな舐めた感覚でいましたが、一眼レフカメラ並みです。

どうやら、シャッターボタンを半押しする前からピントを予測しておいて、シャッターボタンが半押しされたと同時に一気にピントを合わせる「ファストインテリジェントAF」なる意味不明な超技術が実装されているそうです。

今はまた性懲りもなくミラーレス一眼をメインカメラとして使っているのですが、オートフォーカスのピントが迷ったり、少し暗いとピントが合わなかったり、被写体が小さいとピントが後ろに抜けたりします。(同じ様なシーンでもRX-100M4ではピントが迷わず合っていました)

僕の使い方だと、じっくりフレーミングする事がほとんで、マニュアルフォーカスも多用する事からあまり問題にはならないのですが、スナップ撮影など瞬発力が必要な使用では『RX-100M4』の威力を感じられたかもしれません。

『RX-100M4』のオートフォーカス性能は最近のミラーレス一眼と比べても見劣りしないと思います。(それを活かす使い方は出来なかったのですが……)

電子シャッターが高性能すぎた

高速に動く被写体を撮影した時に起こる歪みを抑える「アンチディストーションシャッター」という機能がありますが、その恩恵に与るシーンは一度もありませんでした。

そもそも高速で動く被写体って普段の生活でどんなものなのでしょうか? 落とした食べ物を高速で拾いに掛かる自分ですかね。 そんなの撮る気になりません。

走行中の電車やスポーツカー、日光江戸村の忍者などを撮影するなら役に立てたかもしれませんが、そんな機会はありませんでした。

連射性能が高性能すぎた

最高約16コマ/秒です。

大量のカラシを包んだ餃子とか、ほぼデスソースのナポリタンとかを誰かに食べさせて、辛さに歪んでいく顔を16連射で撮ったら面白いだろうなー、とは思いましたが殴られそうなので出来ません。

それ以外の活用方法が見つかりませんし考えていませんでした。

よって使いこなせていません。

おわりに

『RX-100M4』にはかなりお世話になったカメラでしたが、僕の様な使い方ではカメラの全力を出させてあげられませんでした。

オーバースペック気味だったので、もうすこし探せば安くて自分にピッタリのコンデジがあったかもしれません。

他にも、暗所に強くノイズが乗り難かったり、960fpsのスーパースローモーション動画が撮れたり、カールツァイスのレンズが付いていて逆光に強く周辺部まで描写が精細だったり、特筆すべき所がまだあり、それらの機能が中古価格だと5万円前後で手に入る事を考えると、2020年現在かなりコストパフォーマンスに優れるカメラと捉えられるなと感じました。

今現在は、ミラーレス一眼を購入する資金にする為、下取りに出してしまったのですが、RX-100M4で出来ていたけどミラーレス一眼に変えて出来なくなった事が割とあって、下取りに出した事を後悔しています。(ミラーレス一眼を買った事は後悔していませんが–)

RX-100M4を1年間使ってみて、コンパクトで手軽に扱えるのに、一眼カメラに迫る写真表現ができるので、スマホカメラでの撮影からステップアップしたい人の最初のカメラに良いなと感じました。

というのも、僕は形から入る性分で、初めて買ったカメラはキヤノンの「EOS 5D」という上級者向けの一眼レフカメラを購入したのですが、ロクに写真の撮り方も分からず、全く使いこなせませんでした。

その上デカくて重いので、それがネックと感じで持ち歩く機会が無くなるほどカメラの性能に価値を見出せないアホでした。

結局「5D」は売却してしまった苦い思い出があるので、最初に買うカメラとして「RX-100M4」は安く手に入るし、手軽に使えてどこにでも持ち運べるコンパクトさもあり、表現力も高いのでピッタリだと思った次第です。

ダークソウルに例えたら、最初に最強の武器を手に入れて装備してみたものの、自分の能力が低い為に武器の性能が半減している状態なのに気づきもせず「この武器よわww」とか言いながら売り払うくらいの愚行です。

コンデジという小さなカメラにも関わらず、その性能の高さに驚愕したのに、ミラーレス一眼だったらもっとすごいのかも…… と考えるとSONYでカメラシステムを揃えたくなる衝動が今でも抜けません。

(余談ですが当ブログで2020年6月までの記事に貼り付けてある写真は、ほぼRX-100M4で撮った写真になります)

ここまで記事をお読み頂き、ありがとうございました。

SONY コンパクトデジタルカメラ
RX-100M4
高性能なコンデジを安く手に入れようと思うなら選択肢に入れても良いと思います。
小さいのに一通りの事はこなせます。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

email confirm*

post date*

日本語が含まれない投稿は無視されますのでご注意ください。(スパム対策)